「忘れるっていうことは、人間に大切なことですよ」「忘れることで頭の中はちょうどいいぐあいに片づけられるからね」「自然死(自殺ではなく)は人間にとって一番ありがたいこと」。四十歳を過ぎて小説『楢山節考』でデビュー。放浪の果ての農耕生活、作家としてのオンリー・ワンの生き方を貫いた深沢七郎。未発表作品集として刊行された話題の書が遂に文庫化。