ウィーンは今年、市政1000年を迎えます。このウィーンを舞台に、曲木椅子の大量生産技術と生産システムを作り上げて、インテリア界はもとより当時のデザイン運動に多大な影響を与えたトーネットは、奇しくも生誕200年にあたるのです。本書は西洋史、美術史、資本主義発達史までも広く視野に入れて、『トーネット社の椅子』の歴史をなぞりながら、トーネットをめぐる芸術運動をたいへんわかりやすく解説しています。