人は誰でもその人生において、一度ならず「まさか」と思われる重大な局面に遭遇する。戦国武将にとって、戦いは「まさか」と「まさか」の応酬であることが多い。奇策に奇策をもって応えた、羽柴秀吉と佐久間盛政の賎ヶ岳合戦は、その「まさか」と「まさか」が衝突した名勝負だった。本書は、時代を読み、人を観察し、的確に判断しなければならなかった武将たちの、その"悪戦苦闘の物語"を描いたものである。