ムンクの版画「叫び」におののくノルウェーの娘ジュリー-夏の怖れ。体内から湧く激しい「衝動」の正体にとまどい、旅先のオスロで自死するオリエ-ヴァイキングの祭り。明けるとも暮れるともつかない妖しい薄明が、街と森と湖をつつむ北欧の夜-その白夜の中に展げられる愛と孤独と憂愁のドラマ四編を収録。北欧を舞台に青春の彷徨を描いた香り高い五木文学の傑作集。