宝石凝視のなかでの、誇り高き犬狼貴族との婚姻を幻想的に描いた表題作ほか、ヘリオガバルス帝の物語を小説化した「陽物神譚」、彷徨える幽霊船の苦悩を警抜な着想で捉えた「マドンナの真珠」の3篇を収録-超硬度の明晰な文体で織りなす渋沢文学不朽の名作。