日本映画において独自のスタイルを確立し海外での評価も高い巨匠・小津安二郎。その人間と作品の魅力を「東京物語」の助監督をつとめた直木賞作家が見事に描き出したノンフィクション・ノベル。原節子、岸恵子、杉村春子らのエピソードや撮影秘話もまじえ、名場面を考察する。戦中に軍部報道映画班としてシンガポールに赴任していた時代を描いた短編「幻のシンガポール」を併録。