日本人の底の底には無思想という思想、簡単に言ってしまうと美意識があるのではないかと思う-日本人が初めて持った歴史観、庶民の風土、「手ざわり」感覚で受け止める伝統的美人、義経という人気者、幕末三百藩の自然人格。歴史小説に新しい地平を開いた圧倒的国民作家が、自らの発想の原点を解き明かした好エッセイ集。