薄情な男、民谷伊右衛門に嫁いだお岩は、毒を盛られて顔を醜く変えられてしまう。夫に捨てられ、殺されるが…(「東海道四谷怪談」)。牡丹模様の提灯をもったお露は、夜な夜な恋人の新之丞のもとへ通う。お露の正体は…(「牡丹灯篭」)。日本を代表する怪談の多くは、小説や映画などに形を変えながら現代に息づいている。私たちの心の深層を揺さぶり続ける物語の原点に返り、現代語訳のダイジェストで楽しむ傑作選。