文化を、すでにそこに在り、固有の内容を含むものとする我々のまなざしの背後には、いかなる政治学が内包されているのか。単なる実証主義的な文化研究を超えて、それ自体を「問題化」することとは、何を意味するのか。「対象」としての文化から、「問題」としての文化へ。カルチュラル・スタディーズの問題構制を歴史的に位置づけなおし、近代における文化概念の存立そのものを問い返す。