過疎と農業不振に悩む農山村の起死回生策として「地域おこし」が模索されている。棚田オーナー、貸農園、エコツアーなど「グリーン・ツーリズム」=豊かな自然と田舎暮らしを体験する新たな観光の試みを、フィールドワークを通していきいきと伝える。村人のもてなしと手作りの魅力が人気を呼び、訪問者のネットワークが村を支える力になることが期待されている。バブル経済下のリゾートブームは、ゴルフ場・スキー場などの乱開発をひきおこし、環境破壊と経済破綻の深い爪痕を残した。その検証を通して、地元のイニシァティブと生きがいを軸にした生活システム優先の思想=生活環境主義を改めて提起し、村の存亡を賭けて「観光・環境・地域おこし」に奮闘する人々の創意工夫に学ぶ。