誰の、何についての学力が低下したのか。児童・生徒の家庭的背景や教師による指導のあり方はそれにどう反映するのか。学力における二極分化が進むなか、社会政策の一部として教育政策をとらえ直す場合に重要なのは、平均としての学力の変化に注目することではなく、どのような背景をもった子どもたちの学力に変化が生じているのかをみることである。学力の実態と階層の関係を明らかにした画期的大規模調査(2001〜2002年)を満を持して総括し、今後の展望としての「効果のある学校像」を模索する分析・論考を集めた。