生活世界に足場を置いた独自の思想史を模索し続けてきた著者が、新国家主義的風潮が強まる現在の日本社会に対峙するなかで、戦後思想を批判的に総括、明解な見取り図を描くとともに、歴史学の課題と可能性を展望する。丸山真男・吉本隆明から松下幸之助まで、戦後を形作った「現実の思想」に肉迫する、同時代思想史の試み。