フランスの政治家・思想家アレキシ・ド・トックヴィル(一八〇五‐五九)は、フランス大革命以後の世界史を「民主主義的な社会革命」の進行過程と捉え、強化の一途をたどる祖国の中央集権的官僚支配から地方自治と人民の自由を擁護しようと苦闘し、『アメリカの民主主義』『旧体制と大革命』などの著書を世に問うた。その思想を歴史的に位置づけるとともに、彼の思想に照らして現代日本の抱える民主主義の問題を考察する。