社会科学が成立するための基盤として人間学が存在しなければならないのではないか。抽象的な人間でなく、歴史的・社会的な人間に関する学が。マルクスにおける人間的自然の把握と、河上肇による社会科学の人間学的基礎づけのなかに、今日に継承さるべき方法的遺産を見出す、挑発の書。