『ドゥイノの悲歌』は、『オルフォイスに寄せるソネット』と並ぶリルケ(1875‐1926)畢生の大作である。「ああ、いかにわたしが叫んだとて、いかなる天使がはるかの高みからそれを聞こうぞ?」と書き始められた調べの高いこの悲歌は、全10篇の完成に実に10年もの歳月を要した。作品の理解を深めるための詳細な註解を付す。