日本におけるチェーホフを考えるとき、神西清(1903‐1957)を抜きにしては語れない。短篇の名手の逸品を翻訳の名手がてがけた9篇、これに訳者のチェーホフ論2篇を加えた"神西清のチェーホフ"とも言うべきアンソロジー。表題作の他に、「嫁入り支度」「かき」「少年たち」「アリアドナ」等を収録。