山のあばら家から老いた目でデルフォイを見下ろす一人の巫女。苛酷な運命に弄ばれ、さすらいながら神を問いただす男にむかって巫女が物語る数奇な身の上、神殿の謎、狂気の群衆、息子の正体-神とはなにか、人間とはなにか。ノーベル文学賞『バラバ』に次ぐスウェーデン文学の巨匠の、悪と崇高と愛にささげた傑作小説。