眠れない夜はつらい。しかしいたずらに嘆いていないで、我々はそれを、日頃怠りがちな自己反省のための、静かな妨げられない時間として活用しようではないか。ヒルティ(1833‐1909)は青年にむかってこう語りかける。スイスの哲学者で、国際法の大家でもあった著者が、聖書の言葉を引きながら、人はいかに生きいかに自分を深めてゆくかを、諄々と説く。