近代社会の構造的な不正と抑圧の原因とはなにか、そして人間が自由であるための条件とは。本書は、行動と思索の人シモーヌ・ヴェイユ(1909‐43)初期の代表作である。全体主義・マルクス主義をともに批判の俎上にあげつつ自由な社会を希求する誠実で真摯なその考察は、いまなお色褪せることない現代社会の指針となろう。