1959年にノーベル文学賞を受賞した、20世紀イタリアを代表する詩人サルヴァトーレ・クァジーモド(1901‐68)は、ファシズムの暴虐に抗して、人間を蹂躙する現実への激しい怒りを表現し、戦後は冷戦や核の恐怖を見据えた強靱な社会詩を書き続けた。社会の悲惨、歴史の苦悩に対峙する詩篇の圧倒的な強さと深さと重みが胸をうつ。