三木哲学の基礎を築いた書。主体的真実性、パトス等、のちの著者の諸根本概念はもとより、全く異質な世界を問題にする唯物史観研究も独自な弁証法も、また『構想力の論理』や『親鸞』も、その萌芽はこの処女作にすべて含まれる。