メディチ家とも親交があり、有能な政治家や大使を輩出した名門に生まれたグィッチャルディーニ。二十八歳でフィレンツェ共和国のスペイン大使になり、共和国崩壊後はメディチ家出身の教皇に仕えて教会領行政官として活躍。動乱のルネサンス・イタリアを常に敵に囲まれながら生き抜き、その体験を子孫に書き残した。冷静な目で人間の真実を赤裸々に描いた本書は、現代に通ずる貴重な処世の書といえる。