安政から万延と改元された年の春三月、総勢七十七名のサムライが、幕府初の遣米使節団としてサンフランシスコに到着した。随行船は咸臨丸、日米修好通商条約の批准書交換のためである。米国各地で熱狂的な大歓迎を受けた彼らの日記や回想録、現地の新聞記事等を駆使してその旅の全容を再現。長い鎖国の後の衝撃的な異文化体験が、生き生きと甦る。