昭和の歴史は暗い時代の入り口にさしかかった。満州国建国が国際連盟の承認を得られず、日本は、8年3月連盟を脱退し、孤立化の道を進みはじめた。政治的発言力を増大させた軍部は、総力戦体制へ向けて国論を統制していく。工場は軍需景気に沸き、農村には欠食児童や娘の身売りが続出した。