早く死に別れた生母を思い求めることに始まり、一族のさまざまな生き方、在り方を、時代、社会、歴史とのかかわりにおいて捉え、言葉の、高い緊張の世界に、鮮やかに凝集した、江藤淳渾身の力作。深い感動を呼びおこす名篇。