自分の中に自分の知らない「私」がいる…「私は誰なのか」…もの静かな若い女性が偏頭痛が治らないといって精神科を訪れた。面接を重ねる精神科医の前で、彼女は突如、まったく別人格をもつ"もう一人の女"に変わった。この多重人格症患者の発病から治癒にいたるまでの凄絶な「心の病」との闘いの全記録を主治医が克明に描きだす。人が内面にもつ謎、心のからくりに鋭く迫る快著。