男子高へ通うトシヒコは陸上部のリョウに恋してる。同級生のヤマダは「間違った身体に生まれたから」と女性ホルモンを注射する。幼なじみのミカコは突然、怖くて電車に乗れなくなった。心と身体の「違和感」にふるえる三人の青春を軽妙に描く表題作に、「午後の時間割」(海燕新人賞)を併録した芥川賞作家の作品集。