こんな人には、二度と出会えない-。横山春洋は日本画の画匠に、岡野紘彦は帝大生として家業を手伝う身となっていた。離れていた時間を惜しむように春洋に溺れる紘彦。帝都での二人の蜜月は、永遠に続くかのように思われた。しかし、紘彦の兄の死をさかいに、ふたたび引き裂かれることに-。デビューから半年、妖艶な世界はさらなる深みを増し、読む者の心をとらえて放さない。注目の一冊。