むかし、どこの家にも独特の匂いがあり、町には生活の音があった。いつのころからか、そんな匂いや音が消え、日本人の心情も変わってしまった。名手・久世光彦が失われゆく日本人の住まいや暮らし、そして心ばえに、切々たる愛惜と思慕の情を寄せた珠玉のエッセイ集。