本書は『現代代数学』の著者として名高いファン・デル・ヴェルデンが、代数幾何学の入門書として書き下ろした教科書である。この本の中で、ファン・デル・ヴェルデンは、代数幾何学の古典的結果を、現代代数学を基礎にして分かりやすく整理し、かつ明快に展開している。特に代数的対応やチャウ形式を用いた重複度の定義や交点理論、平面代数曲線の無限に近い特異点の理論や、ネターの基本定理を用いたリーマン・ロッホの古典的な証明、代数多様体の三角形分割可能性などについての記述が興味深い。1939年に出版されたドイツ語版原本の全文に加え、1973年の第2版で追加された2篇「代数幾何学について」「セヴェリからアンドレ・ヴェイユに至る代数幾何学の基礎」も収録。