シェイクスピアはフランシス・ベイコンの仮の姿!そう深く信じた十九世紀アメリカの女性研究者ディーリアは、長大な自筆原稿を携え、イギリスへと海を渡った。彼女の説を証明するために暴かれなければならないのは、無気味な墓碑銘「わが骨を動かす者に呪いあれ」の刻まれたシェイクスピアの墓-。実在の女性の数奇な生涯と、カーライル、エマソン、ホーソーンといった文人たちとの交友関係を追いながら、「シェイクスピア狂熱」の呪縛と、それからの解放の人間ドラマを描く。