18歳の夏、偶然日本を訪れたフランス青年「ぼく」は瀬戸内海の島で一人の少女と恋に落ちる。それから35年、日本に住み、日本人女性を妻にし、有名フランス企業のトップの座にいる「ぼく」に一通の手紙が届き、長い間封印していたあの夏の記憶を掘り起こすことになる。汚れないと信じてきた人生の航跡に隠されていた取り返しのつかない悲劇とは…。自らの体験をもとにした美しくも哀切な小説。