プロ野球選手がチームの優勝に向けて努力するのと同様、ビジネスマンも組織の一員として部門や会社の発展に貢献している点には変わりありません。しかし、これまではプロ野球選手のように一年という短期間の実績を基にして、一人ひとりの貢献度を比較したり能力を評価する考えは少なく、毎年の昇給に大きく反映するようなことは行われてきませんでした。会社の長期的な発展という観点からは、プロ野球のような短期的な成果より長期かつ継続的な能力向上に基づく貢献を期待されてきたからです。とはいいながらも、ビジネスマンの世界にも管理職や特定の専門職を対象にして、新しい賃金制度という触れ込みで年俸制が普及しつつあります。本書は、実務経験の中から筆者が体得した知識を基にこれからの賃金制度としての「日本型年俸制」を具体的に提案したものです。