古代の日本海沿岸には、天然の良港・潟湖を拠点に船を操り、沿岸各地や遠く朝鮮半島、沿海州、大陸と日本海ルートで交易を行い、経済力を貯えた海人集団がいた。かれらが築いた文化の伝統と交流の跡は、日本海沿岸各地に見る巨大古墳群、四隅突出型方墳、巨大住居址、玉作り工房跡等のほか内陸にも窺い知れる。本書は、古代の日本海文化の実相と伝統を明らかにし、ひろく東アジア世界の視点に立ち、国際文化交流の跡も検証する。