「明智様、急ぎませぬと」が、光秀にもはやその声は聞こえなかった。壁に架けられた安土山屏風、その飾り金具に光秀が手を触れると、呆気なくそれは半転し、眼前の屏風は見たこともない画面へとすり替った!「ああ、…」光秀は声にならぬ声をあげ、がっくり膝を折った。光秀の目から噴き出すように涙が溢れた-。明智光秀はなぜ信長を殺したのか?この謎と天正少年使節団によってローマに送られた安土山屏風に秘められた信長の野望に迫る、衝撃の問題作。