人身売買、低賃金長時間労働など、"貧困社会型"の虐待に代って、親の一方的都合で行われる身体的、心理的、性的虐待や育児のネグレクトなど、"文明型"の虐待が急増している。子どもいじめが一見"普通の家庭"に拡がっているのも特徴だ。長年児童の精神衛生診療の現場にあたった著者が、継子いじめ、育児ノイローゼなど、家庭という密室の中で起こった様々なケースの実態と背景を分析しながら、複雑化した現代の親子関係を考える。