一九九二年九月、日露両国外務省は、日ソ・日露間の最大の争点である北方領土問題についての歴史文書資料集を共同刊行した。今後の日露交渉の土台を提供する画期的な協力作業である。本書は、このように合意された全資料三十五点の背景と意義を分かりやすく解説することによって、十七世紀からエリツィン時代までに及ぶ両国の対立点と合意点の両方を客観的公平に浮彫りにし、さらに今後の解決へ向けての具体的提言を大胆に行なう。