進化論発祥の地ガラパゴス諸島には、独自の進化を遂げた鳥ダーウィンフィンチがすんでいる。その嘴は「自然が作り出した工具」と呼ばれるほど多彩で精巧だ。ガラパゴスの中央に浮かぶ小さな溶岩の島で、研究者夫妻は、生きたフィンチを一匹一匹調べた。そして20年におよぶ調査の末に夫妻が直面したのは驚くべき事実だった。フィンチたちは刻々と変貌を遂げ、ダーウィンの予測をはるかに上回る規模と速度で進化していたのだ。化石の進化ではなく、ついに現実の進化を目撃した夫妻の研究を追った気鋭の科学ジャーナリストが、種を変貌させる自然の力の驚異に迫る。1995年ピュリッツァー賞受賞作。