高齢者は、実際に何を思い、何に悩んでいるのか。豊富な臨床例から浮かび上がる、高齢者の逃れがたい孤独、家族との葛藤、喪失体験、痴呆への恐怖、死の接近という真相。老年精神医学の第一人者が、高齢者の心の理解をふまえ、家族や医療・福祉関係の多様な対応のありようを説き、豊かな老後にむけて、定年後の心の準備をただす、新しい老人論の試み。