「あの年の夏祭りの夜、浜から来た少女カムロミと恋に落ちたわたしは、1年後の再会というあまりにも儚い約束を交わしました。なぜなら浜の1年は、こちらの100年にあたるのですから」-場所によって時間の進行が異なる世界で哀しくも奇妙な恋を描いた表題作、円筒形世界を旅する少年の成長物語「時計の中のレンズ」など、冷徹な論理と奔放な想像力が生み出した驚愕の異世界七景。SF短篇の名手による珠玉の傑作集。