1966年に発表された『アルジャーノンに花束を』は、全世界で出版され、多くの人々に涙と感動と生きる勇気を与えてきました。その魅力の秘密は何なのか?いかにして、またどこから、この物語は生まれてきたのか?本書は、作者自身によるその探索の物語です。白ねずみを切開した解剖実習、商船隊勤務、パン職人の見習い、大失敗に終わったパーラーでのテーブル係、自らが受けた心理療法…。やがて『アルジャーノンに花束を』に結晶し花開くまでに必要だった種子の数々が、見いだされていきます。そこには多くの喜びと苦しみ、出会いと別れがありました。ダニエル・キイスが、自らの分身ともいえるチャーリイ誕生の軌跡と、彼をめぐる物語の成長を描いた本書は、単なる創作秘話をこえた熱き感動を与えてくれるでしょう。