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  • Author尾崎世界観
  • Publisher文藝春秋
  • ISBN9784163906546
  • Publish Date2017年5月

苦汁100%

本当に大切なことは書かないし、書けない。

だから、書く。



楽しい。恐い。売れたい。

嬉しい。悔しい。やりたい。



ロックバンド・クリープハイプのフロントマンであり、

初小説『祐介』が話題をさらった作家・尾崎世界観が赤裸々に綴る、

自意識過剰な日々。



ーー



某月某日

テレビに出ると相変わらずネットでは批判が噴き出す。コイツ喘ぎ声だしてるだけだろう。喘ぎ声で商売してるって凄い世界観だな。こんなようなことを書かれていた。よっぽど燗にさわるんだろう。(ポンポン。癇に障る音。)



某月某日

いつも通っているあの本屋へ。「祐介」がどこに置かれているかの確認へ。前は3冊、サブカルコーナーにぽつんと置かれていた。でも、テレビや雑誌で何度か取り上げて貰った今なら、きっと。そう信じて見たけれど無い。文芸のコーナーに置いていない。サブカルコーナーを見てみると前よりも増えている。おまけに奥の人気の無い音楽書籍コーナーにも追加で大量に並んでいて、絶対に文芸と認めないという書店の意地を感じた。ドラフトで、巨人に行きたいのにオリックスに指名されたら、こんな気持ちになるのかなぁと思った。



某月某日

ライブ本番、今日もアナウンスで冒頭から盛り上がる。細かいミスも気にならない。嫌、本当は気になったけれど、それ以上に良い空気が流れている。お客さんが楽しそうで、そこに答えが見えているから安心出来る。今日も男子が多い。嬉しくなって、「男子」「男性」「男の人」「オス」 「メスじゃない方」と完全に贔屓したコールアンドレスポンスをした。それに対する圧倒的な数の女子からの批判。「女子もやって」という声に対して「だって女子は、ヤッたら終わっちゃうじゃないか」と言ったらもの凄く変な空気になった。



某月某日

夜は皆と飲んでホテルへ。

風呂にも入らず、就寝〓就寝〓(あのCMの救心〓救心〓のイメージで)

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    • Borrowed People