前代未聞の腑抜け、腰抜け、未熟者よ。金沢の城下で突如、批難の火の手があがる。恋なかの若き男女を暗闇で斬り捨てた武蔵。兵法者として、一生の不覚をとったのか…。悪罵の渦中にも信念は揺るがない。巌流島の決闘の後、剣聖は何をめざし、いかなる道を拓いていったのか。新解釈で描く連作読みきり大河。入魂の第二巻。