祇園の商店街で育った新吉は、古い町並みと口うるさい近所のおっさん連中が嫌でたまらない。親に偽って東京の大学を受験、見事合格するが、お祝いごとのドタバタの中、新吉の胸中でなぜか京都への思慕が膨らむのであった…。祇園育ちの著者が、千二百年の古都を舞台に描く甘く切ない70年代グラフィティ。