火付盗賊改のニューヒーローを描く、新シリーズ開幕!
伊刈運四郎、24歳。流浪の身から晴れて御先手頭・坂巻讃岐守忠成配下への仕官が決まる。しかし、人手が足りぬと向かわされた先には、口から鯖の尾鰭が飛び出た屍骸が……。有無も言わさず配されたのは、切捨御免の特権を持つ火付盗賊改方、通称「しノ字組」。そこは、顔の刀傷で畏怖される供頭・杉腰小平太以下、大酒呑みに博打好きと、およそ出世とは無縁なあぶれ者の寄せ集めだった。
商家への押し込み強盗で世上を騒がす「陣五郎一味」の捕縛に出動したしノ字組だったが、まんまと裏をかかれ大失態。意気消沈する一同に仲間とも認められず、失敗を重ねても、運四郎は決して諦めない。やがて、〝鯖殺し〟と陣五郎を繋ぐ線を見出す――。駆け出し新参侍が大江戸に蔓延る凶賊を逐う!
気鋭の時代小説家・坂岡真さんは、本シリーズが文春文庫初登場。第2巻『火盗改しノ字組(二) 武士の誇り』は9月刊行です。