1988年、オーストラリアは建国200年を迎える。しかし、その国家形成は多端であった。英国から不毛の大地に連れて来られた流刑囚たち、原住民アボリジニーズからは招かれざる訪問者と看做された移民たちは、ともに不毛の大地に挑み続けた。以来、自由移民が増加して、無限の可能性を秘めた複合多文化国家として今日に至っている。若く豊かな国の歴史と現実を、内なる視点から深い共感をこめて描き出す。