明治の初め日本に紹介されたベースボールは、瞬く間に全国を席捲するほどの人気を博した。だが、娯楽性あふれるショービジネスへの脱皮をみせたアメリカと異なり、学生スポーツとして独自の発展をとげた日本の野球は精神性の色濃い「純正野球道」へと昇華していった。本書は、日米の球史を丹念にたどる手法で両国の文化的差異の本質に迫る試みである。さらには、本場アメリカの風土に根づく誇り高きスポーツマンシップをも伝える。