日本史上にあまり例を見ない流動的で不安定な時期を、人は何を頼りに生きたのだろうか。天皇独裁をめざした後醍醐天皇や忠臣のシンボルである楠木正成と北畠親房、新田義貞、さらに逆賊とされた高師直とその家臣団などの実像を探り、14世紀内乱の構図を描きなおす。