易とはなにか、占うとはどういうことか。天下の大事に際し、自ら思慮の限りをつくし、さらに周囲にはかってなお決断しえぬとき初めて神告を求めるのが易の本来の姿とされる。本書は、中国文化の基底にある易の思想を西欧近代の思想家たちがどうとらえたかを探った上で、王船山の易論を解説しながら、私たちにとって易がもつ意味を考える。