「旅と歴史」藤田編集長の旧友、清野林太郎の死体が福島県喜多方市の山中で発見された。排ガスを密室状態の車に引き込んでおり、警察は自殺と断定。しかし娘の翠は、父親の自殺がどうしても信じられずに、他殺だと主張する。手がかりは車中に遺された、封筒だけで中身は空の奇妙な遺書。翠とともに死者のメッセージを追う浅見光彦は、思いがけない巨悪に立ち向かうこととなる-。迫真の長篇ミステリー。